東京都中央卸売市場築地市場は文字どおり東京都民の台所としての役割を担うために1935年(昭和10年)に開設されました。その当時と比べ現在では国内の道路交通網は格段と伸長、加えて貨物自動車の高性能化、東京及び周辺区域の人口増加などにより、築地市場は日本における食品流通の中枢となりましたが、量販店の台頭や個人の食生活の多様化が食品流通の形態に少なからず影響を及ぼしたために、純然たる市場業務を行う施設というよりは物流の中継地(ターミナル)としての機能が表立ってきたのです。
 弊社はその流通の交差点としての築地(近い将来には豊洲となりますが)に注目しました。築地が点であるならば、それを取り囲む各地に拠点を設置、拠点間相互の連携を緊密にすれば、物流ターミナルとしての市場機能が広範囲に及ぶ「環」となりうるのではないかと。
その、物流環状化計画の達成を目指して昭和41年に沼津営業所を開設、以降関東近県に営業所、系列会社を次々に設立しています。また半世紀に及ぶ食品輸送の歴史は、盟友ともいうべき全国中小の運送会社との多くの提携の連鎖の環を熟成させてきたために、より緊密で広範囲に及ぶ配送網が確立されているのです。
 東京築地と各営業所管轄の地方市場間で同じ商品が、同じ鮮度で同日に並ぶ物流システムを創り上げた現在、弊社は築地を取り囲むこの「環」をひとつの市場と考えて営業しております。遠隔地からの提携会社による食品の搬入に際しても、この大きな環があるからこそ、距離を感じさせない、鮮度にこだわった配送システムのご提供が可能なのです。